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スーパーへ到着し、牛乳が置いてある場所へ進んでいく。
牛乳のコーナーが見えた時、同じ学校の制服を着ている男の子と大人の女の人が一緒に歩いているのが目に入った。
高身長にふわふわのキャラメルブラウン色の髪。
───私はその人物を知っている。
本人にバレないようにささっと柱の影に隠れ、顔を少し覗かせる。
…間違いない、あれはどう見ても日山くんだ。
そしてその隣にいる女の人は誰なんだろう。
背中まで伸びている長い黒髪、きめ細かな白い肌。
若い大人の女性が着ていそうな可愛らしい花柄のワンピース。
とんでもないくらいお似合いでございます。
いいないいな。
私も日山くんと一緒にお買い物したいなぁ。
ぐっと唇を噛み締め、美男美女が買い物している様子を眺める。
日山くんと一緒に歩いている女の人が気になりすぎておつかいどころではなくなった私は2人の後をつけてしまう。
それからしてレジを済まし、購入した商品をエコバッグに詰めていく日山くん。
一通り入れるとエコバッグを肩にかけ、2人はスーパーを出て行く。
急いで日山くんたちが出て行った後の自動ドアを通り抜け、スーパーを飛び出すとちょうど車に乗り込んでいる姿を発見。
運転席には美人な女性が座っており、助手席には日山くんがいる。
そしてその車は走り出し、スーパーの駐車場から去って行く。
車がどんどん小さくなっていき、私はぽつんとそれを見送る。
…私、とんでもないものを目撃してしまったのでは?
日山くんの彼女らしき美人な年上の女性。
明らかに日山くんがタイプそうな女性。(知らんけど)
ガ───ンとショックを受け、スーパーの入り口前で1人立ち尽くす。
いやいや、あんな綺麗な人勝ち目ありませんやん。
オワタ────


