「日山くんなんか……日山くんなんか!おじいちゃんになってヨボヨボになっちゃえ〜〜〜!!!」


「嫌い」と言えなかった自分が悔しい。


嫌味なのかよく分からないことを吐き捨て、全力疾走でこの場を立ち去る。

後ろの方から「美緒ちゃん!!」と千花くんの声がする。


──ごめん、千花くん。

せっかくアイス買ってきてくれたのに、無駄にしてしまった……



「美緒ちゃん!美緒ちゃん待って!!」



千花くんに腕を掴まれ、引き止められる。


「はあ…はあ…千花く……アイス…は?」

「日山くんに全部預けてきた」


うわ、日山くんごめん…!


「美緒ちゃん、急に怒鳴り散らしてどうしたの?後、何で泣いてんの?」

「…泣いてなんか───…」


そう言った矢先、一滴の涙が頬を伝った。


「あれ……」


気が付いた頃には目頭が熱くなっていて、視界全体が滲み、ぼやけ出していく。


「ゔっ…ゔぅ〜〜〜っ…ムカつく…めっちゃムカつく……日山くんムカつく〜〜っ!!」


唸り声のように私は泣きながら日山くんの悪口を言う。

私の気持ち知ってるくせに…
千花くんとの仲を応援されてムカつく。

でも、そんな彼をまだ好きでいる自分がムカつく!!