心の中で「やめて」と呟く。

これ以上続きを聞きたくない───


「チカくん、いいと思うよ。俺は2人を応援する」


彼の突き放すような言葉に頭をガツンと殴られる感覚に陥った。


───なんで、そんなこと言うの?

まるで「ずっと友達でいよう」って言われているみたいでなんだかとても不快な気分だ。


「美緒ちゃん、日山くんお待たせ〜!」


遠くの方から千花くんが3人分のアイスを持って戻ってくる。

拳を握りしめ、日山くんを睨みながら立ち上がる。


「……くんの……日山くんの…でべそ!!!」

「……は?」

「でべ…え…?」


私の発言に日山くんと千花くんはぽかんと口を開く。


「おい、誰がでべそだコラ」

「うるさいうるさい!!日山くんのバカ!アホ!マヌケ!クズ!」

「美緒」


なんだよなんだよ。
なんでそんな困った顔してんの?

自分の子どもが駄々こね始めて参った…みたいな顔しちゃってさ!!

保護者か、おめえは!!
あんたに産んでもらった覚えはねえわ!!


『俺は2人を応援する』だって…?
日山くんの気持ちは!?

私あなたの返事聞いてませんが!?


私と千花くんを応援するって言ってた時、すっごい悲しそうな顔してたくせに…

もう、分かんないよ。

日山くんを好きでいちゃだめなの?