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「じゃ、オレアイス買ってくるわ〜」
「いってらっしゃ〜い」
日山くん、千花くん、私の3人でアイス屋へ行き、誰が3人分払うか話し合った結果、
男気じゃんけんで千花くんが一人勝ちしたため、私と日山くんは近くのベンチで座って待つことになった。
「「……」」
隣に座ったはいいものの、沈黙が流れ、気まずい空気になる。
朝の時の和やかな雰囲気は一体なんだったのだろう…と数時間前の出来事を振り返る。
いつもなら一方的に私がベラベラと話して日山くんが頷くだけだったのだが、
今は話題が何も思い浮かばず、ただただ気まずいだけである。
…私、日山くんに何話してたっけ。
とわぴのこととかクラスのこととか家のこととかひたすら話してた気がする……
そう言えば、私日山くんの家庭事情とか趣味とか好きな食べ物とか全く知らないや…
唯一知ってるのはサザエさんで言うカツオくんポジションということのみ。
可愛らしい甥っ子(悠くん)がいて、10個歳の離れたお兄さんがいることだけは知っている。
今思えば、私日山くんのこと何も知らない…!!
日山くんに振り向いてもらうために頑張ってきたつもりだけど、趣味の1つや2つ把握していないだなんて……


