とりあえず、「ありがとうございます…」と返事をしたが、恥ずかしいあまりに体温が一気に上昇する。
火谷くんと星川くんが
「千花ちゃんよく言った!」
「脱チェリーボーイなるか!?」
と涙を流しながら拍手している。
「返事は今じゃなくていいからさ、今日は遊園地いっぱい楽しもうよ。でも美緒ちゃん好きなのは本当だからさ……オレのこともちょっとだけ考えてほしい」
「う、うん…」
ぽぽぽとお互い顔を赤らめ、胸の辺りがむず痒くなる。
「えーっと、話がまとまった(?)ということで、とりま絶叫系いっちゃう?」
深森くんの声かけに火谷くんたちは賛成し、目的地へ向かうために立ち止まっていた足を動かす。
「行こう、美緒ちゃん」
千花くんが優しく手を引いてくれて、彼の隣を歩く。
ドッドッと鳴り止まない心臓に火照った体。
…日山くん以外の男の子にドキドキしてしまった……
千花くんは友達だと思ってたからまさか告白されるなんて──…
「…と、永遠…花崎ちゃんチカくんと一緒に歩いてるけどいいの?」
後ろの方で深森くんが恐る恐る日山くんに問いかけている。
「……別に、俺関係ないし」
私が前を歩いているためか、彼が今どんな顔をしているのかはわからない。
だけど、日山くんの素っ気ない返事にズキッと胸が痛んだ。
ちょっとは嫉妬してくれたらいいな…とは思っていたが、『関係ない』と言われ、悲しい気持ちになる。
ほんの少し期待していた自分が馬鹿みたい…
私が好きなのは日山くんなのに、完全に脈なしじゃん。
涙が出そうになるのをぐっと堪え、唇を噛み締めながら日山くんの言葉に知らないふりをした。


