「何すんのかよこちゃん!?」
「ごめん、急に深森の顔に殺意が湧いてきちゃって……」
「怖っ!?」
そんな2人のやり取りを見て船瀬くんはクスッと笑い、「穂波は相変わらず元気だなぁ…」と微笑ましそうにそう言った。
するとかよたんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にする。
かよたんと船瀬くんのいい感じの雰囲気にキュンッとときめいた。
…な、なんてこったい!!
甘酸っぱい2人の空気になんだか踊り出したくなっちゃう!!
私と日山くんもかよたんたちみたいな良いムードを醸し出したいけど、できる可能性は無いに等しいんだよね……
チラッと横を見ると日山くんは死んだ魚のような目をしていた。
日山くん、ああいうラブラブな感じの雰囲気嫌なのかな…
そもそも誰かと付き合うこと自体興味ないのかもしれない。
珍しく後ろ向きな考えをしてしまい、ズ───ン…と気分が重くなる。
「なーなーそろそろ遊園地入ろうよ。俺、早く遊びたい」
星川くんの言葉に私たちは頷き、受付へと向かう。
受付を済まし、中へ入ると楽しそうな愉快な音楽とジェットコースターに乗っている人たちの叫び声が聞こえてくる。
遊園地のマスコットキャラクターたちの人形が歌声と共に出迎えてくれているような気がして私たちの気分は一気に向上する。


