後ろの方でかよたんと深森くんがブハッ…と笑いを堪えている。
…私の私服、カワウソ要素は全く入ってないんだけど……
どういう意味かわからないけど、日山くんに褒めてもらったし、なんでもいいや!!
「私、カワウソ好きだから嬉しいよ!ありがとう!」
「っ…」
私と日山くんの心温まる雰囲気にかよたんたちは
「平和や……」
「推せる……」
などと口々に呟いていた。
「美緒ちゃん!ごめん、おまたせ!」
千花くんの慌てた声が聞こえてくる。
振り返ると千花くんとその友人らしき男子3人が小走りでやって来る。
「ほんっとごめん!こいつらが集合時間10分前に起きたとか言って……それで遅刻した……」
「どーもー!俺ら千花ちゃんと同じバスケ部所属してま〜す!あ、俺 火谷です!隣にいるのが船瀬でその隣が星川!よろしくね〜!」
火谷くんが紹介した後、船瀬くんと星川くんも「よろしく」と軽く会釈する。
「…船瀬くんって確かかよこちゃんの──…」
「あ───っと!!深森!ほっぺにでっかい蚊がいる〜〜!!」
かよたんが深森くんの顔面をばしーん!!とビンタし、それを食らった深森くんは「ぶへっ!?」と痛そうな声を出す。


