「…み、美緒ちゃんどうしたの?」

「千花くんはかよたんたちと遊ぶの……嫌?」


遠慮気味にそう聞くと千花くんは「ゔっ…!!」と苦しそうな声を出し、心臓を押さえる。



「──ねえ」



今度は日山くんが目の前にやって来て冷たい瞳で千花くんを見下ろす。

「チカくんさあ、何美緒悲しませてんの?」

不機嫌な声色で問いかける日山くんと彼が加わったことでかよたんと深森くんが不敵な笑みを浮かべ、更に圧力をかける。

断る術を失った千花くんは青ざめた顔で

「…あ、遊びましょう……」

と言わざるを得なかった。


「やった〜♡ねーねーいつ行く!?」

「うわ、深森テンションきもいんだけど」


かよたんと深森くんが嬉しそうに盛り上がる中、立ちはだかる3人の壁を越えられず、しょんぼりと肩を落とす千花くん。


「皆で遊園地、楽しみだね〜!日山くん!」

「うん、そーだね」


私と日山くんの周りにはほんわかとした空気に包まれる。



「…速水くん、すっごい落ち込んでるけどさ、ラインで誘おうとは思わなかったわけ?」

「マジそれな。ラインでやり取りしてたらおれたち邪魔しなかったのに…」



かよたんと深森くんの発言に千花くんは「あっ…」と忘れてたと言わんばかりの表情をする。

2人は千花くんの反応を見てブフッと吹き出し、腹を抱えながら笑う。


「あはははは!!チカくん馬鹿だ!!」

「スマホ持ってる意味ないじゃん!」

「う、うるさいなぁ!!」


千花くんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてかよたんたちを睨んだ。