…こいつ、すぐ顔に出るじゃん、わかりやす。(人のこと言えない)
「美緒ちゃん、補習行かねーの?」
「行くよ!でも日山くんと話したいから千花くん先行ってていいよ!」
「あぁ…うん、わかった」
寂しげにしゅんとした速水は俺たちの横を通り過ぎ、階段を下りていく。
…そう言えば俺、速水が花崎さんに告白しようとしていた所を邪魔したんだった。
あの時、同じクラスの人たちと図書室で期末テストに向けて勉強していて、
その帰りに忘れ物をしたから教室に取りに行って丁度昇降口へ向かっていた途中。
速水と花崎さんが一緒にいる所を見つけて……
それから速水が花崎さんに自分の気持ちを伝えようとしていたから何故か気に食わないと思った俺は2人の間に割り込んで──
『無理です、ごめんなさい』
『『…えっ??』』
妨害した。
ってゆーか花崎さんは一体どんな手を使って速水を落としたのだろう。
速水は花崎さんのどこを好きになったんだろう。
自分の知らない所で彼女が他の男と会っていたと考えるだけでモヤっとして──…
「…深森、帰ろ」
「え、お、お〜」
胸の辺りがムカムカして、腹が立ってくる。


