一方、日山くんは一瞬目を見開いたが、その後ニコリと微笑んでくれる。


「おはよう、えっと…花崎さん?」

「!?」


彼とはクラスが違うのに私の名前を知ってくれていて感激のあまり涙が出そうになった。


「え、わ、わたっ…私の名前を存じ上げているだと…!?」

「うん、まあ、ちょっとね」


日山くんが私の名前を呼んだ。
私の目を見て呼んでくれた…

くぅ〜〜〜っ!!
泣いちゃう〜〜!!


「〜〜っ好きです!!!」


昨日振られたくせにまたもや告白をしてしまう。

だってこんな嬉しいことってないもん!


「ごめんなさい」

「ガ──ン!!!」


即答され、口から擬音語が出た。

いや、ショックを受けてガーンとか言う人なんて見たことないわ。


「じゃ、俺教室行くね」


そう言った日山くんは爽やかな笑顔で颯爽と去って行く。



──とわぴ…

横を通り過ぎた時、すっごいいい匂いした。