そう言えば、私が補習行く前に他の女子たちに一緒に勉強しようって誘われてたっけ…
「くぅぅぅ…!!羨ましい!!私だって日山くんと一緒にお勉強したい!!分からない所教えてもらう時、至近距離になって日山くんから香るシャンプーやら柔軟剤やら嗅ぎまくりたい…!!」
唇を噛み締め、本音がダダ漏れてしまう。
だが、私の欲に日山くんのツッコミ、またはドン引きしたような反応がなくて小首を傾げる。
「日山くんどうし──…」
「永遠」
「えっ??」
「俺の下の名前、"永遠"なんだけど」
「…え、うん。存じ上げておりますが……」
「じゃあ俺のことも"永遠"って呼べよ」
「お、ん?ええ??」
「…俺も美緒って呼ぶ」
「はひえっ!?」
ななな何故!?急にどうなされた!?
「呼ぶの?呼ばねえの?」
「えええ…!!」
じりじりと詰め寄ってくる日山くんに対し、私は一歩ずつ後退りする。
更には腕を掴まれ、逃げる術を失う。
「いいいいや、あの!!貴方様のような方を下の名前でお呼びさせていただくのはなんだか気が引けるというか…!!」
「何で?俺ら友達じゃん」
「友達……」
彼の口から"友達"という言葉が出てきてズキッと胸が痛んだ。


