「わ、私も挨拶してこようかな…!」


ソワソワと落ち着かない様子の私にかよたんは「えっ!?」と驚いた声を出す。


「あんた昨日王子に振られたのにまた声かけるの!?」

「だ、だってとわぴの顔見る度に好きが増してしょうがないんだもん!」


日山くんの声が聞きたい!
皆に向けているあの優しい笑顔が見たい!

あぁ、もう!じっとなんてしてられない!!


「ちょっと挨拶してくる〜!!!」

「え、ちょっ…早っ!?」


かよたんの焦る声は私の耳には届かず、一直線に大好きな彼の所へ走って行く。


「とーわーぴー!!!」


満面の笑顔でブンブンと大きく手を振る。


昨日と同じく不思議そうな顔をしながら振り返る日山くん。

急ブレーキ音のような音が鳴るくらい足を滑らせ、彼の前に立ち止まる。


「おはようとわぴ!いい朝だね!あ、でも私がいい朝を迎えられているのはとわぴがいるからこそでありまして!…ってゆーかとわぴはいつ見てもかっこいいね!イケメン最高!万歳!!」


鼻息を荒げ、息継ぎなしで話しかける。


廊下がし〜んと静まり返った。