いつの間にか一ノ瀬との時間が増え、そのおかげかクラスの人も誤解が解けたらしく話しかけるようになっていた。普通に話しかけてくるのを見てると、何だか今までのことを考えると腹が立ちそうで嫌だった。
 「いったっ」突如背中に痛みが走った。振り返るとそこにいたのは一ノ瀬だった。
「何暗い顔してるんだよ。」
 お前にこの気持わかるわけない、そんな事を言いかけた。
 「別に。」
 僕は素っ気なく返した、それしか言えなかった、何だか一ノ瀬に八つ当たりをしてるようで嫌になってしまった。案の定、一ノ瀬は僕を無言で見つめると他のやつのところに行ってしまった。
 そこにはクラスで目立つ女の子たちもいた、彼女たちはアイツに好かれようとしてるのか必死だった。くっついたり、手を握ったり。
 いい気持ちになんてなれなかった。そして嫌われたという言葉が僕の頭に溢れた。