婚約破棄3回された公爵令嬢の代筆屋

 捨てられた市井の娘は……。実は貴族ほど悲惨ではない。貴族が目をかけたほど素晴らしい女性に違いないと声がかかったり、良心のある貴族であれば手切れ金として一生遊んで暮らせるだけのお金を渡したりもする。
 ……うんもし悪い貴族に引っかかってボロボロで放り出されたら我がウィッチ領の領民を馬鹿にするのもいい加減にしろって犯人見つけてちゃんとお金支払わせるからね。もし貧乏貴族でお金がなければお屋敷で雇って、一生生活に困らないようにもできるし、いい殿方を紹介してあげることもできる。
 なんてことをいろいろと考えていたら、いつの間にかアルがラブレターを書き上げてウィーチェルさんに渡していた。
 20通はすぐになくなったため、今回は30通の注文を受けたそうだ。
 
 仕事のあと、私とメイシーは二人で勉強です。
 今日は、このあいだ流れた、側室になった場合の正しい王妃さまとの接し方。子供が生まれる前編。このあと、女の子が生まれた場合編、男の子が生まれた場合編。さらに別の側室との接し方編があり、それぞれにどちらが第一王子を生んだかによっての接し方を学ぶそうだ。……もちろん、毒物や暗殺者からの身の守り方とか他にもいろいろと学ぶらしい。いやもう、ロッテンさん、私、側室になる気ゼロです。暗殺とか子供を身ごもったときが一番危ないとか、いやだ。そんな世界入りたくない。いざとなったら、エディに助けを……求めても、いいの、かな?

「ふわー、終わった。ロッテンさんの授業は緊張する」
「そうですねぇ。でも本当に私が側室になるようなことあると思います?リリィーは公爵令嬢で、もともと第二王子と婚約してたから可能性あるかもしれないけれど……」
「ちょっとメイシーやめてよっ!私、側室になんてならないし、もしなったら、側室としていい子がいるんですよってメイシーのこと推薦するからね!」
「うわー、でも、リリィーと後宮で読書しながらおしゃべりも悪くない……けれど、暗殺とかやっぱりいやですぅ!」
「私だっていやだよぉー!」
 二人で顔を見合わせ深いため息……。
 お茶を飲んで、一息ついてから今日の報告。
 いろいろありすぎて、何から言うべきか。
「メイシーそういえば、今日、女の敵が来たの」
「本当ですか?あの、いろんな女性にラブレター渡しまくってたっていう男ですよね?」
「それが誤解で、業務提携した」
「はい?」