「フードを深くかぶって顔を隠すようにしてて、代理で取りに来たと言っていたわりに、受け取った手紙を小さく折りたたんでしまったの」
アルがなるほどとうなづいた。
「確かに、顔を隠すのも怪しいと言えば怪しいですが、顔に傷があるなどの事情があるだけかもしれません。ですが、代理で受け取りに来た手紙を小さく折りたたむのは少し変ですね。普通は大切にしわにならないように持ち歩くものですが……」
「それで、もし、本来受け取る人間以外だった場合に備えて、急いで写しを取っておいたの。預かり期間終了まで何事もなければ破棄するつもりだけれど」
「そうですか。なるほど。預かっている手紙を渡す相手が、宛名の人物かどうか確かめる手段が必要ということですね。今後、この預かるシステムを続けるとしたら、いつか別の人間に渡して問題になるかもしれませんね」
アルが考えるように顎に手を置いた。
そうだねぇ。
お金を取って預かるのであれば、間違えて渡しましたじゃすまないもんねぇ。
「割符みたいなものを作りますか?」
割符?
「エディが戻ってから、皆で考えましょうか」
アルが、首を傾げた私の頭をそっと撫でた。それだけのことなんだけど、ドキドキして小さく首を縦に振ることしかできなかった。
■40
「さぁ、では看板付けに行って、昼食にしましょうか」
ちょうどお昼少し前。アルが書きあがった看板を手にやってきた。
立ち上がって、一緒に店を出ようとしたところ、レイモンドさんが慌てた様子で入ってきた。
「頼みがあるんだ」
依頼?
「リリィー、じゃぁ、看板付けは一人で行ってくるよ」
と言った後、アルがふと顔を寄せて耳元で囁いた。
「店から出ないように。大声を出せば、別の護衛すぐに駆けつけてくるから」
護衛がいるということをレイモンドさんに聞かれないようにと、耳元で声を潜めたのは分かる。
けど、アル、心臓に悪いよ。もう、ドキドキしっぱなし。アルの息が届く距離で話をされるなんて……。
「お待たせしました、レイモンドさん。頼みとは?」
「ああ、これは、なんて書いてあるんだ?」
レイモンドさんが手に握りしめていた紙を取り出した。
「ライカがまだ戻らないんだ……心配して探していたら、ライカに頼まれたと子供から渡されたんだ」
「ライカさん、まだ戻らないの?」
レイモンドさんから紙を受け取り、広げる。
アルがなるほどとうなづいた。
「確かに、顔を隠すのも怪しいと言えば怪しいですが、顔に傷があるなどの事情があるだけかもしれません。ですが、代理で受け取りに来た手紙を小さく折りたたむのは少し変ですね。普通は大切にしわにならないように持ち歩くものですが……」
「それで、もし、本来受け取る人間以外だった場合に備えて、急いで写しを取っておいたの。預かり期間終了まで何事もなければ破棄するつもりだけれど」
「そうですか。なるほど。預かっている手紙を渡す相手が、宛名の人物かどうか確かめる手段が必要ということですね。今後、この預かるシステムを続けるとしたら、いつか別の人間に渡して問題になるかもしれませんね」
アルが考えるように顎に手を置いた。
そうだねぇ。
お金を取って預かるのであれば、間違えて渡しましたじゃすまないもんねぇ。
「割符みたいなものを作りますか?」
割符?
「エディが戻ってから、皆で考えましょうか」
アルが、首を傾げた私の頭をそっと撫でた。それだけのことなんだけど、ドキドキして小さく首を縦に振ることしかできなかった。
■40
「さぁ、では看板付けに行って、昼食にしましょうか」
ちょうどお昼少し前。アルが書きあがった看板を手にやってきた。
立ち上がって、一緒に店を出ようとしたところ、レイモンドさんが慌てた様子で入ってきた。
「頼みがあるんだ」
依頼?
「リリィー、じゃぁ、看板付けは一人で行ってくるよ」
と言った後、アルがふと顔を寄せて耳元で囁いた。
「店から出ないように。大声を出せば、別の護衛すぐに駆けつけてくるから」
護衛がいるということをレイモンドさんに聞かれないようにと、耳元で声を潜めたのは分かる。
けど、アル、心臓に悪いよ。もう、ドキドキしっぱなし。アルの息が届く距離で話をされるなんて……。
「お待たせしました、レイモンドさん。頼みとは?」
「ああ、これは、なんて書いてあるんだ?」
レイモンドさんが手に握りしめていた紙を取り出した。
「ライカがまだ戻らないんだ……心配して探していたら、ライカに頼まれたと子供から渡されたんだ」
「ライカさん、まだ戻らないの?」
レイモンドさんから紙を受け取り、広げる。

