今日の物語「桜の木の下で。」

まちに待った運命の日。あの人はくるかな。ああ、あの日約束した出来事。もう3年にもなるのか。今、花見の季節だわ。桜並木の道にはたくさんの花見する人たちが来ている。ああ、家族連れで、母親と父親に連れられた小さな男の子。とてもカワイイ。私もあんな家庭を築きたいと思ってる。彼は大学を卒業したら、アメリカのスタンフォード大学に3年間留学するって、付き合っていた当時はとてもそれで別れたから寂しくてショックだった。とても今日という日を待ち望んでいた。今日は彼のアメリカから帰国する日。真っ先にこの一本のこの辺では目立たない小さな桜の木の下で再会しようと約束した。かっこよくなって戻ってきてくれると信じてたのに、いきなりラインで行けないから、近くのサイゼリヤでランチしようってメールがあったの。ガッカリだわ。桜の木の下で食べようと徹夜でお弁当を作って待っていたのに、サイゼリヤだって?でも仕方なくサイゼリヤに夜8時に待ち合わせしたの。いつまで経っても来ないから、焦っていたらいきなりデブなブサイクなメガネに話しかけられたの。ここら辺で花見する桜のある道を探しているから案内してくれだって。しかし、彼との約束があるから。でもあまりにしつこいから案内したの。そして、彼と待ち合わせ場所だった桜の木の場所を通ったの。その時、彼からラインがまたあって、やっぱりいけなくなった。明日会おうってなって私は激怒して、そのデブでブサイクなメガネが3日何も食べてないっていうから、彼にあげるはずだったお弁当を一緒に食べたの。青いレジャーシートをひいて、誰もいない目立たない桜の木の下で花見しながら、見ず知らずの男性と二人っきり。その二人でいる写真を彼に送ってやったの。
お弁当を食べ終わり、お別れしようとしたら、そのメガネが「ずっと君のことを思っていたんだ。結婚してくれ。」って」婚約指輪を見せてきたの。いくらなんでもそれはできない。たまたま会った人といきなり結婚なんて。と断ったらそのメガネがいきなり顔からマスクをはずしたの。そう、そのメガネは変装していたの。「これでもかな。」ってマスクを外しながら、変装を解いた。そしたら、そこにいたのは、私の愛しの彼だったの。あの頃と全く変わってなかったわ。そう、彼は私に一度わざとガッカリさせ、怒らせておいて、後から約束を守り、ビックリさせようとさせる彼からのプロポーズだったの。私は彼だとわかった瞬間、抱きついてキスをしたの。「喜んで。」こうして、私たちは結婚した。これは15年前の今の夫との話なのよ。