僕は親の転勤で転校することになった、前にいた学校はそこまで仲が良くて親しい人なんていなかったせいか悲しいなんて思えなかった。強いて言うならよく家に来てた野良猫が大丈夫か気になるくらい。
 転校先の花咲高校は周りに田んぼがあって校舎は淡いピンク色をした校舎だった、地味な僕には丁度いい感じがした。
 「樋月(とよつき)高校から古屋凪(ふるやなぎ)です、今日からよろしくお願いします。」
 しばらくしーんとした教室に小さなささやき声が聞こえた。
 「早く都会に帰れよ。」