木村さんと蛇

それから、先生にどんな役員があるのか聞いて役員決めを進めていく。
学級委員長、副学級員は人気ないのになんで他の役員(特に体育員が)は人気でジャンケンで決めたりするんだろう(ジャンケンの時のみんなの喜怒哀楽がある意味すごい)そうやって役員決めを終えると
『よし、木村、冨岡、ご苦労様!ありがとな。後は先生がするからな!』
ようやく解放されて私達は席に戻った。
それからは、健全な学園生活とは何か、とか
進学校だから高一から大学についてや進路について考える様にと真面目な話が続いていく。やっと高校受験が終わったばっかりだから今はまだ大学受験について考えたくないなと、思いふと、って言うかやっぱりに近いかも。木村さんの事をチラッと見てしまう。なんでこんなに木村さんのことばかり見てしまうんだろう。中学の時は退屈な授業の時は決まって窓の外を見ていた。だから、窓際側に座っている木村さんを見てしまうの?
ううん、違う。今は窓の外なんてどうでも良い。はっきりと自分の中で木村さんの事が気になるって気持ちがある。
あの、桜の木の下で初めて木村さんを見た時の胸がギュッとなる感じ。あの時の胸の痛みは何だったんだろう?
すると、また風が不意に走った。窓が空いていたから桜の花びらが教室に入ってきた。
その小さな花びらの一枚が木村さんの髪に舞い降りた。なんだか、桜の花びらが髪飾りみたいで似合っている。木村さんは花に好かれているのかな?なんて、考えてみた。