記憶が蘇ってきてあたしは智流という存在がわかってきた。
「智流!」
血だらけになって倒れる智流に駆け寄る。
そして智流を揺さぶる。
そうしないと智流がいなくなってしまう気がしたから。
「なん、だよ。人が眠…そうにしてる、のに揺さぶる…のは」
駆け寄ったのが誰かがわからないのか智流はそう答える。
まだ意識があるから安心した。
「智流。智流。智流」
安心すると智流の名前を呼びたくて連呼する。
「な、に?」
途切れ途切れいう言葉に悲しくて涙が溢れそうになる。
その涙を頑張って堪えてながら、
「あたし、思い出したよ」
そう智流に伝えた。

