魔の森に囲まれた、花畑。

 ここだけは特別だというように、魔素も薄くなっていた。

「きれい……」

 うっとりと呟くエディに、ロキースがクスリと笑みを浮かべる。

 少年のような格好をしていても、やはり彼女は彼女だ。花が綺麗だと、少女の顔で微笑むのだから。

 ロキースは再び、地面に手をついた。

 当たり前のように使っている力だが、今日は特に気をつけて使いたい。

 だって、エディにとって大事なことだから。エディにとって大事なことは、ロキースにとっても同じこと。

 全精神を集中させて、彼は殊更慎重に鍵の場所を探った。