「? どうかしたか、エディ」

「ん? ああ、いや……それやっている時のロキースって、綺麗だなぁと思って」

「そうだろうか……?」

 占い師が水晶玉に向かう時のように、神妙な顔つきで地面を睨むロキースは、いつもの穏やかで優しげな雰囲気とも違い、どこか浮世離れしているように見える。

 桁外れの美貌に神秘的な雰囲気が加わって、まるでお伽噺に出てくる妖精のようだ。

 触れたら鱗粉だけ残して消え去ってしまいそうで、エディは引き止めるように慌てた様子でロキースの手を握る。

「ロキースはさ、地面に手をついて何をしているの?」

「今は、鍵が移動しているのを確認していた。鍵は順調に、いつもの場所へ向かっている」

「そっか」