エディの全てを見逃さないつもりで接しているが、彼女の心までは見通せない。

 彼女の心は彼女だけにしか分からないから、話して貰わない限り、ロキースに知る術は無いのだ。

 少しでもエディがリラックス出来るように、常備している蜂蜜の中で、一番おいしいと思っているとっておきの瓶を用意する。

 お湯を沸かして紅茶を淹れて、とろぉりと蜂蜜を垂らせば、ロキースお気に入りのハニーティーの完成だ。

「どうぞ」

 トレーに載せたティーカップを、慣れた手つきでエディへ手渡す。

 初めて獣人の姿で彼女と会った時、手が震えて大変だったことを思い出した。