(それに……見ちゃったのなら、今更誤魔化しても無駄だよね)

 そう思ったエディは、素直に「そうだよ」と告げた。

 ルタはそんなエディに、一歩近づく。ふわりと漂ってくる香水の香りに、エディは鼻に皺を寄せた。

「二人いたけど、もしかして、リディアとあなたの獣人なの?」

「リディアと僕の獣人? どういう意味だよ、それ」

「そのままの意味よ。獣人は、生涯でたった一度だけ恋をする。それはもう、一途にね。失恋したら消滅してしまい、恋が成就したとしても、恋した相手が死ねば寂しくて死ぬ。人間の恋なんてすぐに冷めてしまうけれど、獣人の恋は一生もの! しかも獣人は恋した相手に合わせた美人になるのでしょう? ねぇ、どちらがエディのもので、どちらがリディアのものなの? 私、気になって気になって、夜も眠れないわ!」