「ねえさん」

 食堂に入ってきたのは、ルタだった。相変わらず、人妻とは思えない美女ぶりである。

 カツカツとヒールの音を高らかに鳴らして歩み寄ってきたルタは、エディのすぐそばで立ち止まると艶然と微笑んだ。

(僕にそんな笑い方、しなくて良いのに)

 エディは、色気の無駄遣いだと思った。

 だってエディは女だ。こんな身なりでも。

「これ、あなたのでしょう?」

「それ……!」

 そう言って差し出してきたものを見て、エディは引ったくるようにルタの手から取った。

 ルタが持ってきたもの。それは、エディがロスティから貰った許可証だった。