恋が実れば人間に、実らなければ消滅する。
 残酷なお伽噺のようだが、ロキースにとってはこれが現実だ。

 エディがロキースの想いに応えられなければ、彼は消える。

「獣人になるって、痛いの?」

「正直言って、痛い。どの程度かと言い表せないくらいには、痛かった」

 思い出したのか、ロキースの体がブルリと震える。

 可哀想に、頭上の丸い耳はプルプルと震えて伏せられていた。

「じゃあさ、獣人から人になるのも痛いの? 耳とか尻尾がポロって取れちゃったりするの?」

 ロキースの耳や尾がポロリと取れるのを想像して、エディは怖くなった。