エディは走った。がむしゃらに。

 何もないところで(つまず)きそうになるリディアを支える。

 伸びた木の根に足を取られそうになったエディを、リディアが支えた。

 二人は顔を見合わせると、クスクスと笑い合う。

 いつの間にか、この追いかけっこが楽しくなっていた。

 久しぶりに本気で走っているせいか、気分が高揚してきてしまったらしい。

「ねぇ、エディ。昔はよく、こうやって遊んだわね?」

「そうだね、よく遊んだ」

「大人になると、あの頃みたいにずっとずっと走れないのね」

「リディアは、運動不足なだけだろ」

「酷いなぁ。付き合ってあげているのだから、少しくらい話を合わせなさいよ」