エディのことは、腕の中に閉じ込めて、誰よりも甘やかしてあげたいのに。

 それが、出来ない。

 出来ないどころか悲しそうな顔までさせて、ロキースの心は後悔でいっぱいになる。

 慰めようと思って伸ばした手を、ゆるゆると引っ込める。

 ロキースに、慰める権利なんてない気がした。

 ゆるゆると離れていく大きな手に、エディは気付いていた。

 ロキースの耳も目も、叱られた子供みたいに伏せられている。

(ロキースは、何も悪くないのに……)

 エディは、離れていく手が寂しくて、彼の手を取った。

 大きな手を、頰に押し当てる。触って良いんだよ、と言うように。