「エディ?」

 熱心に考え事をしていたら、知らずロキースを見つめていたらしい。

 おずおずと「どうした?」と問いかけてくるロキースに、エディはなんでもないと顔を背けた。

 恋なんて、ずっとずっと先のことだと思っていた。

 あと一年で十六歳。そうしたら結婚出来る年齢になるけれど、やっぱりそれも、ずっと先だと思っていた。

(あぁ、もう、どうしよう)

 エディはもう、好きになっちゃいそう、なんて言えなかった。

 なっちゃいそう、なんてものじゃない。

 こんな特別扱いを受けて、好きにならないなんてことがあるだろうか。