エディの努力は、トルトルニアの人々にとっては当たり前のことだった。

 そして、彼女の両親からしてみたら、その努力は不必要なものだった。

(こんな特別、ある?)

 誰にも褒めてもらえなかったのに、ロキースだけが褒めてくれた。

(これって、僕が求めていたものじゃないの?)

 王子様じゃなくていい。庭師とか、門番とか、村人Aだって構わない。誰か一人の特別になれたら、それは幸せなことだろう。

 どうやったら、そんな存在になれるのだろうと思っていた。

 守りたくなるような、か弱い女の子?
 眉目秀麗な、気品のある女の子?
 それとも、才色兼備な女の子?

 降って湧いたようなロキースという存在に、エディは今更ながらに困惑した。