「ろ、ロキース……あの、お願いだから離れて」

 か細い声で訴えれば、背後からションボリとした気配がする。

 エディは慌てて「違うから!」と訴えた。

「嫌だからとかじゃなくて……ちゃんと話をしたいから……このままだと、目を見て話せないでしょう?」

 嫌じゃないのは確かだ。
 目を見て話したいのも、本当。

 ゾワゾワした件については、黙っていることにした。

 無意識に、それが恥ずかしいものだと理解していたからかもしれない。

 ロキースが離れていって、エディは騒ぐ胸を落ち着かせるようにクッキーを頬張った。