「すまない。でも、俺の前では我慢しないで欲しい。俺は、そのためにここに居るから」

「我慢って……」

(いや、そうは言っても、涙引っ込んじゃいましたけどね⁉︎)

「遠慮しないでくれ」

 不思議と、抱きしめる手が嫌だとは思わなかった。

 ジワリと服越しに感じる自分より高めの体温に、嫌悪どころか安堵する。

(そっ、それよりも! み、耳! 耳元で囁くなぁぁぁ)

 ゾワゾワする。

 悪寒とも違う、知らない感覚だった。まるで蛇が這い上がるように腰から背中を走っていって、エディは怯える。