怖がらせてしまったのに、応対はきちんとしている。エディの家は、しっかりとしたメイドを雇っているのだなとロキースは自分のことのように嬉しくなった。

 出迎えてくれたメイドに案内されて、どこかの部屋へと通される。

 応接間らしいその部屋には、重厚感のある革張りのソファと赤茶色をしたテーブルが置かれていた。

「こちらで少々、お待ち下さいませ。お嬢様を、呼んで参ります」

「分かりました」

 ロキースがソファへ腰掛けるのを見届けてから、メイドは静かに退室していった。

 彼は、ソワソワと落ち着きなく室内を見回す。

 初めて、好きな子の家に来たのである。なにもかもが新鮮で、なにもかもが気になって仕方がない。