ミハウは椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がり、力説した。

 その頰は興奮に赤く色づき、病弱さは微塵も感じさせない。

 顔色が良いのは良いことだ。

(だけど、嫌な予感しかしない)

 手を振り切って、カフェオレを温めにいけば良かった。

 そう思うエディの前で、ミハウは拳を握りしめて言った。

「ロキースとやらが、エディタにふさわしい男なのか、僕が見てあげる」

 一体、なんの権利がこいつにあるのだろう。

 エディの心の声は、双子特有の以心伝心(テレパシー)で届くことはなかった。