○●雨色ドレス●○

「よっしゃ。今日はホームレスいないぞ」
 
噴水前の白い木目調のベンチに腰をかける。
 
特等席と言うにはこのベンチは多少大袈裟かもしれないけど、通には分かるこの絶景。

この季節、昼間は蝉たちの集会所となるのだが、、夜になると木々に囲まれた夜空が楕円形のプラネタリウムを見せてくれるんだ。
 
はっ、また思い出しちゃったよ。この特等席を見つけた時の真弓の笑顔。あんなにはしゃいじゃって。
 
いかん!

この町は危険地帯だ。
 
僕を女々しくする地雷が三歩ごとに設置されているような気がしてならない。僕の目の前をヨチヨチ歩く鳩さえも、いつ刺客と変貌するか。
 
「お前はいいよな。気ままで」
 

僕はそのままベンチの背に身を任せ、だらしなく座った。