○●雨色ドレス●○

そうだ。僕がきっともう少し大人だったら



もう少し恋ってやつを理解してたらその涙を見なかったかもしれない。




「上田くん、ごめんね急に呼び出しちゃって」




でもどっちにしろ僕の答えに変わりはないんだから、結局傷つける事になってたんだろうか。その二文字を跳ね返して傷跡をつけて




「あのね、実はね」




両想いの裏には片思いがひっついていて、自分がどちらになるかって、常に天秤にかけられてる。その二文字がそいつを動かしてただなんて




「私ね、一年の時からずっと」




あの頃の僕は、そんなムズカシくて哲学的な事なんてこれっぽっちも考えていなくて。その二文字にそんな重みがあったなんて



「上田くんの事が」







“スキ”。

この二文字が

あの二文字が


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