「もう黒以外着ちゃダメだからね?」
わたしが帝の腕にぎゅっとしがみついてそう言うと。
「俺はもうこれしか着るつもりないけど?」
とても自信満々な回答が返ってきた。
「そ、うなのね」
それを聞いたわたしの顔はきっとゆるゆるだ。
「お嬢様、急なのですがまず、帝様と一緒に旦那様にご挨拶をしてきた方がよろしいかと」
会場に着いた途端、先に到着していた朔羅にそう言われる。
「でも、この時間は仕事関係の人と……」
「いつもならそうなのですが、今は旦那様がとても困っている状況でして」
なにかあったのかと思い、帝を連れて急いで会場の中に入る。すると、


