「だる…」
この物語の主人公、鈴原令(スズハラレイ)は欠伸をしながら、気怠そうに家を出る。
ランドセルの横に掛けられた鈴が鳴る。
のろのろと歩いていると、後から声をかけられた。
「おーい、令ちゃーん」
車椅子に乗っている茶髪の少女は鈴宮和(スズミヤナゴミ)という。
令の親友だ。
「和、おはよ」
「おはよう」
挨拶を交わし、雑談をしながら学校へと向かう。
桜が舞い、花びらを落とす。
「春だね。」
和が呟いた。