そんなピグが唯一、猫らしい

無邪気なしぐさを

見せることがあった。


男がペットショップで

色々悩んで買ってきた

ねずみのおもちゃで遊ぶ

ときだった。


カランコロン


転がすと中から音が出る

白いねずみ。


遠くへ投げてやると飛ぶ

ような勢いで追いかける。


「それ!」

カランコロン、カランコロン
スタタタタタ~!


口にくわえて戻ってきては、

また投げてもらうのを

待っている。


「それ!」

カランコロン、カランコロン
スタタタタタ~!


男もピグとのこんな時間が

大好きだった。