ノーマンはこの場を離れていいものか、父親を見上げる。キサラの存在に気付いた父親は、すぐにニコリと笑って「話して仲良くなっておいで」と言う。幼い子どもには、仲良くなって外交に有利になってほしい、という大人の汚い考えなどわからない。
キサラとノーマンはパーティー会場を抜け、中庭で二人話しながら星空を見上げた。ノーマンが神話を話すと、「物知りなのね!」とキサラは楽しそうに笑う。その時かもしれない。ノーマンがキサラに恋をしたのは。
だから、ノーマンはキサラとの婚約の話が来た時にはとても嬉しかった。しかし、あそこまで冷たくされると挫けてしまう。目前に迫った学園への入学、結婚してからのこと、全てが不安になってしまった。
「婚約がなかったことにされたらまずいし、かと言って愛のない結婚生活はもっと嫌だしな……」
白樹国の国政は他の国とは変わっている。普通は、国王一人が国の全てを治めていくのだが、白樹国は経済や外交などを治める者と、治安維持や国家安全を治める者、この二人にわかれるのだ。もし結婚すれば、ノーマンは経済を、キサラが治安維持を治めていくことになる。
キサラとノーマンはパーティー会場を抜け、中庭で二人話しながら星空を見上げた。ノーマンが神話を話すと、「物知りなのね!」とキサラは楽しそうに笑う。その時かもしれない。ノーマンがキサラに恋をしたのは。
だから、ノーマンはキサラとの婚約の話が来た時にはとても嬉しかった。しかし、あそこまで冷たくされると挫けてしまう。目前に迫った学園への入学、結婚してからのこと、全てが不安になってしまった。
「婚約がなかったことにされたらまずいし、かと言って愛のない結婚生活はもっと嫌だしな……」
白樹国の国政は他の国とは変わっている。普通は、国王一人が国の全てを治めていくのだが、白樹国は経済や外交などを治める者と、治安維持や国家安全を治める者、この二人にわかれるのだ。もし結婚すれば、ノーマンは経済を、キサラが治安維持を治めていくことになる。


