僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

キサラとルリから与えられた部屋で、ノーマンはポツリと呟き、ロケットペンダントを開ける。中には、まだ幼いノーマンとキサラが笑顔で映っている写真が入っていた。

ノーマンとキサラは、実は幼い頃に出会ったことがある。レグルス王国の建国記念日の際に開かれた盛大なパーティーで、ノーマンとキサラは出会ったのだ。

パーティーには多くの国の王族や貴族が招待され、レグルス王国の国王に話しかけていた。それを隣で大人しく聞いているだけのノーマンは、とても退屈で部屋に戻りたかった。しかし、それは許されない。幼くとも王族の人間なのだから、勝手は許されないのだ。

ただ黙って大人の話を聞いていたノーマンだったが、不意にその手が誰かに引かれる。ノーマンが振り向くと、そこには黄色の豪華な着物を着たキサラがニコニコしながら立っていた。

「あたし、キサラって言うの。ねえねえ、一緒にお話ししましょう?」

「えっ……でも……」