ガラガラとノーマンの中で何かが壊れる音がした。ルリがキサラに何か言っているが、もう何も聞こえない。ノーマンは、ポケットの中のロケットペンダントを握り締める。あの時のことが全て夢か幻のように感じた。ただ、最後にこう聞こえた。
「ただ、一応世間では婚約者だ。学園や人前ではルリに接するような態度を心がけよう」
キサラの冷たい目と、ルリの申し訳なさそうな目に見送られ、ノーマンは広間を出ることになった。
婚約の話をしているが、ノーマンたちはまだ十五歳だ。国を背負っていくにはまだ若すぎるため、勉強が必要な時期である。
王族や貴族たちの交流を深めるため、何十年も前に世界の真ん中に位置する王国に、王族や貴族しか通うことが許されない学園が作られた。生徒たちは十五歳で入学し、二十歳になるまで国政や礼儀作法などを学ぶ。そこにノーマンたちも通うことが決まっているのだ。
「キサラ、あんなことを言ってたし、僕のことは忘れちゃったんだな……」
「ただ、一応世間では婚約者だ。学園や人前ではルリに接するような態度を心がけよう」
キサラの冷たい目と、ルリの申し訳なさそうな目に見送られ、ノーマンは広間を出ることになった。
婚約の話をしているが、ノーマンたちはまだ十五歳だ。国を背負っていくにはまだ若すぎるため、勉強が必要な時期である。
王族や貴族たちの交流を深めるため、何十年も前に世界の真ん中に位置する王国に、王族や貴族しか通うことが許されない学園が作られた。生徒たちは十五歳で入学し、二十歳になるまで国政や礼儀作法などを学ぶ。そこにノーマンたちも通うことが決まっているのだ。
「キサラ、あんなことを言ってたし、僕のことは忘れちゃったんだな……」


