僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

もうすぐ、学園では創立記念パーティーが行われる。豪華なパーティーホールで決められた相手とダンスを踊るのが恒例となっており、ノーマンの相手はもちろんキサラだ。キサラにはルリがいるため、ルリともダンスを踊る。

「男性役も女性役もどちらも覚えるのは大変ではないですか?」

踊り終わった後、ノーマンが訊ねるとキサラは「問題ない」とルリの用意してくれた水を飲んで応える。

「複雑な指の動きが必要な楽器より、体を動かすだけのダンスの方が簡単だ」

「そうでしょうか……。私は楽器の方がまだマシです」

ルリがそう言い、キサラが「必ず、パーティーまでには上手になる」とルリを励ます。ルリの頬が赤く染まっていった。

ノーマンたちは今、パーティーホールでダンスの練習をしているところだ。当日は注目の視線を集める中でのダンスとなるだろう。

「でも、初めてドレスというものが着れるので楽しみです!」

ルリが楽しそうに言い、ノーマンも「そうですね。お二人のドレス姿を楽しみにしております」と微笑む。きっとキサラはドレスも似合うのだろう。