僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

「なら、フルートを持ってきてくれないか?フルートを吹くくらいならいいだろ?音楽の授業に出席できないなら、練習するしかないからな」

キサラがそう言い、ノーマンの従者からフルートと音楽の授業で配られた楽譜を受け取る。その顔はどこか億劫そうな表情だ。

「もしかして、楽器が苦手なのですか?」

ノーマンの問いにキサラはコクリと頷く。キサラは何もかも完璧にこなし、ルリにいつも教えている状態だったので、苦手なことがあることにノーマンは驚いた。それと同時に前よりも親しみやすやを感じる。

「よかったら、僕が教えますよ。音楽が好きなので」

ノーマンがそう言うと、「ありがとう」とキサラは申し訳なさそうに言う。そして、恥ずかしそうにフルートを吹き始めた。所々つっかえており、課題曲をちゃんと弾けるようになる日は遠そうだ。

「フルートを吹く時のコツはーーー」

ノーマンは丁寧にキサラに教え、課題曲を自分のフルートで吹いてみせる。キサラは心地よさそうに目を閉じて聴いていた。