僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

そんな国のお姫様と婚約だなんて、羨ましいよ。

そう王子に言われた時、ノーマンは嬉しくて微笑んでしまう。その時、従者が「お話中、失礼致します」と部屋に入ってきた。

「キサラ様とルリ様がお見えになっています」

「キサラが?」

ノーマンは驚いて立ち上がる。キサラが部屋に来てくれるなど、初めてだ。授業で同じになった時によく美しい後ろ姿や横顔を目にしたものの、キサラはルリに付きっきりだったため、話すこと自体久しぶりである。

「婚約者と話してきなよ。俺はもう行くからさ」

空気を読んでくれた王子にお礼を言い、ノーマンはキサラとルリを中に呼ぶよう従者に言う。すぐに、美しい着物を着た二人の姫がノーマンの前に現れた。一人は優しい目を、もう一人はどこか警戒するような目をしている。

「お久しぶりですね」

ノーマンがそう微笑むと、ルリが「ご機嫌よう」と微笑み返す。しかし、キサラは警戒した目のまま、「久しぶり」という一言すら発さなかった。