僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

しかし、人前で王族や貴族は悲しむことは許されない。常に誇りを持ち、微笑んで過ごさなくてはならないのだ。

ノーマンは張り付いた笑顔でその場をやり過ごし、多くの人に見送られながら馬車に乗り込む。今からゲンマ学園に向かうのだ。

ゲンマ学園がある王国とレグルス王国はそれほど離れてはいない。三時間ほどあればつくだろう。キサラとルリを出迎えることができる。

「キサラ様に渡す贈り物は忘れてない?」

ノーマンは従者に訊ねる。従者は「ちゃんとお待ちしております」と贈り物をノーマンの目の前に出した。ちゃんとあることにホッとし、ノーマンは馬車の外を流れていく景色を見つめる。

これから、王として必要なことを本格的に学んでいくのだ。そして、その間にキサラとの距離を縮めなくてはならない。

大きなしなければならないことに、ノーマンの胸にはキサラと会ったあの時以上の緊張が走った。

馬車に揺られること、三時間半後、敵襲を避けるために山の中に造られた塀に囲まれた美しいゲンマ学園にノーマンは到着した。御者が馬車のドアを開け、ノーマンは地面へと足をつける。風が頬を撫でていった。