僕の婚約者〜気高き戦乙女〜

「この国では、王族も平民も関係なく同じ学舎に通い、人は平等であることを学ぶのです。キサラは国を守るために武術の鍛錬を欠かさず行い、様々な知識を頭に入れ、全てを国に捧げようとする強くて綺麗な人です。……本来なら、学園になどキサラは通わなくていいほど知識や礼儀作法に問題がないのに、庶民である私が妻なので、学園に入学することになったのです。こんな私ではなく、キサラの隣にはノーマン様が相応しいと思っております」

「あ、ありがとう……」

ルリの言葉に少しノーマンの心が軽くなる。「キサラに近づかないで!」と言われたら、もうこの婚約は失敗に終わると覚悟していたため、フウッと安心から息を吐いてしまった。

「私は、キサラを愛しております。愛しているからこそ、ノーマン様とも幸せになってほしいのです」

ノーマンの手が優しく握られる。ルリは優しく微笑み、口を開く。

「私は、ノーマン様とキサラが少しでも距離を縮められるように協力致します。キサラのことで知りたいことがあれば、いつでも私に声をおかけください」