「あっ……やべぇ。これルイには、話すなと言われていたんだった!?
 お前らをルイには、黙っておけよ?
俺が喋ったこと……じゃあな」

 シンは、それだと言うとそそくさと部屋から出て行ってしまった。
 あ、言い逃げだ……!?
私達は、取り残されてしまったがキラ君は、まだ怪訝そうな表情のままだった。

「……俺は、納得言ってない。
結局ルイを傷つけたのは、家族だろ?
 俺は、絶対に許せねぇ……」

 拳をギュッと握り締めるキラ君だった。
もしかして自分と重ねているのだろうか?
 キラ君も似たような環境だったし……。
それにキラ君は、ルイに懐いているし。

「複雑だけど仕方がないよ?
家庭の事情は、人それぞれだし……」

「でもさ……」

「でもさが……どうしたのです?」

 ルイの声がしてビクッと肩を震わせた。
パッと振り向くといつの間にかルイが部屋を覗いていた。
 聞かれた……!?
私とキラ君は、思わず慌てる。
 するとルイは、ハァッとため息を吐いてきた。

「シン……ですね?私の家庭事情を話したのは」

「えっ……あの……」

 隠しても無駄だった。
ルイは、心が読めるから私達の考えていることが筒抜けになっていた。
 私とキラ君は、しゅんと落ち込んでしまう。
別に隠したい訳でも、聞くつもりでもなかった。
たまたま聞いたとはいえ罪悪感が生まれる。

 シンにも私達に話すなと言っていたぐらいだし、話したくないことなのだろう。
 無闇に聞いてしまったけとを後悔した。
するとルイは、ニコッと微笑むと私とキラ君の頭を優しく撫でてくれた。

「私が、あなた達に話したくなかったのは、優しいあなた達だから、罪悪感が生まれると思ったからです。
 心配しなくても、今は感謝しているのですよ。
この能力のお陰で、こんなに可愛らしく優しいあなた達の面倒を見れるのですから」

「……本当?」