時は昔、小さな一歳の美少年がいた。時節は冬、伽藍はえんまの味がした。思えば未だ籠の中にいる鳥で、彼はヒトを欲求した。愛された事も無き可な。
 虚しくも無く美しく空眺めれば天、淋しさに空すら欲求、十と悟った。
 さながら大きな屋敷でも無いのにいるけ。その茶色に色付いた睫毛は長かった。
 小さな堂の中、俺の名前はー、そう、歌いべしたくて笑った。可愛いだろう。そう、溢した。
 誰かあ!!僧安の門を叩いたー。叶う訳も無い寄るすべも無い可な。
 只一人きりの旅可な生きるよすべ無き可な。
 花は椿すら隠れる雪の事。知らない。未だ、悟り以外知りたくは無かった。たった一歳だって。
 何だって出来るよ俺。俺はー、冬の太陽より負ける訳には如何ない。
 たった五年ー、彼は称号を賜り大日と名乗った。早い四季だった。
 兼ねて星で目立った春の宿星は彼だった。泣く事も無く受けて立った。
 十年後、彼は更に美しくニチと名乗ったー。それは茶色い髪のー、細い目は光り金色ー、美しかった彼はロン毛、うねる美しい髪は目立っていた。
 背は高く、細身、美しい美男と誰もが鑑みた。
 うつくしー、そう、笑われた事もあり、そのおとい腕は綺麗であった。
 格好いい。そう、抱かれる女の数や可なりの数立ち上っては愛された。ニチ、彼は全てに於いて太陽と比された。