泣き顔フライデーナイト



「はは、もうむり?」

「ん……」



頷くと、やっと離れてくれた。

私は肩で息をしているっていうのに、桂木は相変わらず余裕そうで。


ムカつく、から。

少しでもその表情を崩したいと思ったから。


手を伸ばして、桂木の左手人差し指に触れた。


するり、指をつたって自分のと絡ませる。

いわゆる恋人繋ぎ。
これにも、実は憧れていた。




「こういう、恋人ならではのこと、アンタとしたい」




背の高い彼を見上げる。




「っ……匡とじゃなきゃ、嫌なんだけど」




下の名前を呼んだだけなのに、こんなに恥ずかしいとは。




「キスだけじゃなくて、私のことどう思ってるのか、ちゃんと教えて」