その瞬間、ピクッと彼の肩が揺れた。
「彼女がいるの、いないの、どっち!」
未だ涙を流し続ける私。
しばらくして、桂木は「ふは、」と小さく笑った。
「毎週、誰かに告ってたんじゃねぇの」
え、と私は瞬きをする。
「下手くそかよ」
含み笑いをしながらそう言った桂木は、掴まれている手首をグイッと引き寄せた。
よろけてレジに手をついてしまう私の耳に唇を寄せる。
「外で待ってて」
一瞬、桂木の唇が私の耳に触れて、頭が真っ白になった。
「っ、え」
「すぐ行くから」
「か、かつらぎ、」
「逃げんなよ」
離れ間際に私を見る。
その流し目が、色っぽくて。

